gomabooの日記

シニアの皆さん!中年力磨いてますか?

診察券のない病院

近くに古くから開業している個人の病院があります。建物も先生もスタッフも更に患者も年取っていて、レトロ感たっぷりの昭和の病院です。

ここの凄いところは、病院スタッフにあり、スタッフの人が来院する患者さんの名前と病歴をほとんど覚えている所です。診察券をもって来ない人も多く、窓口で患者さんが「こんにちは」と挨拶すれば、自分がどこの誰かとか何しに来たのかとかを言わなくても、スタッフからは「○○さん!今日は注射だけ?」みたいな感じで反応があります。さすがに全ての患者とは言えませんが、それでもかなりの割合。

 

近頃の病院は受付で診察券、保険証、アンケート、問診とか受付でいくつかの関門を通過する必要があります。でもここは常連さんは挨拶するだけ。

この病院の受付の敷居の低さは、その辺の新しくできた開業医には絶対真似できない強みで、一種の「アナログの参入障壁」と言えます。

 

世の中はデジタルで高効率を目指し熾烈な競争をしている一方で、人間力を使ったアナログの「参入障壁」は国民の民度が高い日本ならではの強みではないでしょうか?

私のいる工場も人間力が、「強くて安全安心」の工場を支えています。デジタルのように決してコピーできないアナログな個々の能力は、アジアの大国が大資本を投入してもすぐには追いつけない大きなアドバンテージだと思います。デジタル競争に巻き込まれずにもっと日本人の強みを生かすためにこれからの我々の目指すべき所は「安い・早い・大量」ではなく「品質」「安心」「ホスピタリティ」ではないかと改めて思いました。